富士スピードウェイは長いストレートと低速コーナーを組み合わせた、オーバーテイクを促すレイアウトとなっている。そのため、チームはストレートラインスピードと低速セクションでのグリップの間でバランスの取れたセットアップを見つけなければならない。低速からの立ち上がりにおける優れたメカニカルグリップと優れたエンジンパフォーマンスが、コンペティティブなラップタイムを刻む上で重要な要素となる。
シャーシ
富士のサーキットは低速コーナーで構成されているため、メカニカルグリップが決定的な要素となる。それによって、例えばバーレーンのような軟らかいセットアップに向かう傾向になるところだが、タイトな低速セクションでは優れた方向転換性能が必要であるため、それに対しては硬めのセットアップになる傾向が出る。また、メインストレートでのオーバーテイクへ向けて重要なターン16の出口、そして1コーナーへの飛び込みにおいて、トラクションが決定的な要素となる。新しいスムースなターマックの特性によって、クルマがボトミングする懸念が少ないため、クルマは低いライドハイトで走行することができる。
エアロダイナミクス
ダウンフォースレベルに関しては、ポジションをかけた争いをストレートで繰り広げるためにコンペティティブなトップスピードを達成すべく、チームはラップタイムを犠牲にする必要が出てくる。クルマがツイスティーなセクションをそこで最大限を発揮するセットアップで走行できないため、優れたメカニカルパフォーマンスの重要性がさらに強調されることになる。
このサーキットには、ターン3と長い180度右コーナーのターン4、5の2つしか中高速コーナーは存在しない。特に、ターン4、5ではクルマがアンダーステアに悩まされることになるため、ドライバーとエンジニアは週末を通して、低速でのパフォーマンスを犠牲にせずに解決するための仕事に追われることになる。
ブレーキ&タイヤ
大きなブレーキングポイントはターン1とターン10の2つだけで、冷却する時間も十分にあるため、ブレーキにとっては楽と言える。タイヤに関しても、高速コーナーがないためにそれほど厳しいわけではないが、トラクションに関して酷使されるためにリアタイヤの消耗が重要な要素で、それはオーバーテイクに関しても影響を与える。そのため、ブリヂストンは昨年同様にソフトとミディアムのコンパウンドを持ち込んでいる。
エンジン
富士は全開率が53%でV8エンジンにとってそれほど厳しいテストとはならないが、問題は別のところにある。長いメインストレートは17秒以上も全開のままとなるため、エンジンの可動パーツにとっては厳しいテストとなる。ラップの残りはほとんどが低速コーナーのために優れた低速パフォーマンスが決定的になるし、トルクの良いエンジンがラップ終盤の低速コーナーの立ち上がりでは必要とされる。また、ラップ終盤に関しては、クルマがターンインしながらシフトダウンする場面があるため、クルマの安定性を維持するためにスムースなマッピングも重要となる。
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