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富士スピードウェイ 2年目の”カイゼン”

富士スピードウェイ 2年目の”カイゼン”

13 10 2008

昨年の日本GPでは指定席の不備やシャトルバスでの観客輸送に大幅な時間がかかるなど、運営上の不手際が非難された富士スピードウェイだが、今年の日本GPでは様々な改善が見られた。

まず、昨年最も問題となったシャトルバスでの観客輸送だ。富士スピードウェイでの日本GPでは「チケット&ライド」というシステムを採用しており、観客はサーキットを訪れる際に必ずシャトルバスを利用することになっている。昨年はサーキットから離れる際に少なくとも2時間、最大で5時間ほどもバスの到着を待たなければならなかったが、今年はほとんど待つことなくバスに乗れた。これは、バスの乗り場を分散させたり、レース終了後に様々なイベントを開催することにより観客を分散させることができたためであろう。

今年はレース終了後に指定席エリアを解放し、自由席を利用した観客も指定席に入ることが可能となった。決勝レース後のグランドスタンドには多くの観客が集まり、歓喜に沸くルノーのピットの様子や片付けを始めるパドックの様子、チャリティーオークションに先がけたトークショーなどを楽しむことができた。このトークショーには中嶋悟、片山右京を初め、エイドリアン・スーティル、中嶋一貴、小林可夢偉などの現役ドライバーも参加し、大にぎわいのイベントとなった。

また、グランドスタンド裏のF1ビレッジでは人気お笑いタレントのライブが行われ、大型ビジョンでは決勝レースを再放送するなど観客の分散に様々な工夫が施されていた。天候に恵まれたこともあり、レース後もサーキットに残る観客が多く見られ、この工夫は成功したと言えるだろう。シャトルバス乗り場には昨年のような長蛇の列は見られず、代わりに観客を待つバスが何十台も待機していたほどだった。

シャトルバスの運行についてはおおむね良好だったと思われる。どのバスも運営側から発表されていた所要時間よりも短い時間で到着することができた。バスの通るルートには立て看板や誘導員が至る所に配置され、バスのスムーズな運行に一役買っていた。ただ、バスの乗り場が昨年よりもサーキットから離れて歩く時間が増えた場所もあり、また東名高速道路の足柄サービスエリアの裏手から一般道に抜ける特別なルートを通るバスにおいては、運転手と警備員との間で連絡ミスがあり運転手が不満を爆発させる場面も見られたため、改善の余地はまだありそうだ。

その他に目立った改善点といえば、スタッフのサービスだろう。指定駅や駐車場、サーキットなどでの観客の誘導はスムーズに行われ、レース後には落とし物やゴミの回収も積極的に行っていた。また、朝早くから夜遅くまで元気な声で挨拶をし、「ありがとうございます」と深々とお辞儀をする姿は、昨年の混乱に満ちていた状況からは想像できない光景だった。サーキットを後にする観客やそれを見送るスタッフから笑顔が見られたことが、今回の”カイゼン”を象徴していた。

今年の日本GPの来場者数は、金曜日が3万7千人、土曜日が7万1千人、日曜日が10万5千人となり、3日間合計で21万3千人となった。昨年と比べると6万人を越える大幅減となり、チケットも最後まで売れ残りが出るなど、昨年の問題を受けて集客には苦戦が見られたが、今回の改善は次回のグランプリ開催に向けてポジティブな結果だったと言えるだろう。次に富士スピードウェイで日本GPが開催されるのは2年後の2010年だ。来年はいよいよ鈴鹿が復活し、ドライバーからもファンからも絶大な支持を受ける鈴鹿は富士にとって最大のライバルでもある。交互開催となるこれからが、富士にとっての正念場となるだろう。


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